そして弊社では、コンクリート廃棄物の新たなリサイクル用途拡大を目的として、コンクリート用再生骨材の生産を開始しました。大都市におけるコンクリート廃棄物の飽和問題解消と天然資源保護や環境負荷削減などのサステナブルな観点から、これまで天然資源採取骨材が一般的であったコンクリート用骨材用途へ、都市に蓄積されたコンクリート鉱山を原料とした新たなリサイクル骨材資源を積極活用する。天然資源の採取規制と併せ、良質な骨材の枯渇リスクを低減することができ、近い将来に向け持続可能な資源循環を構築する。"コンクリート廃棄物からコンクリート資源へ"、その一翼として"コンクリート用再生骨材"の普及に取り組んでいます。
コンクリート構造物を解体する際に発生するコンクリート塊を原料として、破砕・磨砕・選別等の処理を行って製造するコンクリート用骨材のこと。物性値により3種類(L・M・H)に区分。HはJISA5308の使用材料に規定されています。
これまで一般的に用いられてきた天然骨材(砂利・砕石・砂・砕砂等)の代替え骨材として、再生骨材を用いたコンクリートのこと。コンクリートも、用いる骨材品質によって区分されるが、再生骨材Hを用いたコンクリートは、レディーミクストコンクリートとして扱うことができる。
再生骨材・再生骨材コンクリートのJISは、3種類に区分され、それぞれの骨材規定、その骨材を用いたコンクリート規格が定められ、さらに用途規制、性能規制等により種類が明確化されています。L・Mはコンクリート規格、Hは骨材規格になっています。
※原コンクリート:再生骨材を製造するための原料となるコンクリート塊
※コンクリート塊:構造物の解体よって発生したもの以外に、コンクリート製品、レディーミクストコンクリートの戻りコンクリートを硬化させたものなどがある。ただし、フレッシュ時に水を加えたもの、運搬車から排出後1~3日で砂利状に砕いたものは除く。
※原骨材:原コンクリート中の骨材
吸水率等により3区分化され、要求性能に応じて微粒分量、不純物量等も規定。
JIS名称 | JIS A 5023 附属書A | JIS A 5022 附属書A | JIS A 5021 | |||
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骨材名称 | 細骨材L | 粗骨材L2005 | 細骨材M | 粗骨材M2005 | 細骨材H | 粗骨材H2005 |
絶乾密度 | - | - | 2.2以上 | 2.3以上 | 2.5以上 | 2.5以上 |
吸水率(%) | 13.0以下 | 7.0以下 | 7.0以下 | 5.0以下 | 3.5以下 | 3.0以下 |
微粒分量(%) | 10.0以下 | 3.0以下 | 8.0以下 | 2.0以下 | 7.0以下 | 1.0以下 |
塩化物量(%) | 0.04以下(4倍値) | 0.04以下(4倍値) | 0.04以下(4/3倍値) | |||
不純物量(%) | 3.0以下 | 2.0以下 | 2.0以下 |
*原骨材特定とASR判定:解体構造物の工事記録、配合報告書、骨材試験表などの記録、又は解体される構造物や製造工場へ受け入れる際に採取するコンクリート塊から原コンクリートを取り出し、原骨材を観察、種類・数が判別できる場合、原骨材は特定されたものとする。この後、原骨材又は骨材のASR反応試験が無害なら、区分Aとなる。
再生骨材コンクリートの製品区分・種類 | 適用性能 | 用途例 | |
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再生骨材コンクリートL JIS A 5023 |
- | 高い強度・高い耐久性が要求されない、かつ凍結融解性を受けない部位及び部材 | 裏込めコン、間詰めコン、均しコン、捨てコン等。 他、土間コン、ラップルコン、押えコン、嵩上げコンなど |
協議事項: 塩化物含有量指定 (旧塩分指定品) |
コンクリート構造物中に鉄筋を持ち、かつ長期にわたって鉄筋の発せい(錆)を抑制したい場合 | ||
協議事項: コンクリートの特性、それを用いる構造物の重要性及び要求性能、置かれる環境条件に応じた品質事項を指定 (旧仕様発注品) |
高い耐久性を必要としない無筋コンクリート構造物又は容易に交換が可能な部材 | 捨てコンクリート、均しコンクリート、裏込めコンクリート、間詰めコンクリート、中詰めコンクリート、人工岩、重力式擁壁、ヒューム管巻き立て、立坑床付、 無筋コンクリートブロック(消波ブロック、根固めブロック法面保護ブロック、 植生ブロック)、重力式擁壁など | |
小規模の鉄筋コンクリート構造物又は鉄筋を使用するコンクリートブロック | L型擁壁、U型水路、トンネルインバート、大型消波ブロックなど | ||
再生骨材コンクリートM JIS A 5022 |
標準品 | 乾燥収縮や凍結融解の影響を受けにくい部位及び部材 | 地中構造物(杭、耐圧盤、基礎梁、鋼管充填コン等)又は乾湿の繰り返しを受けない部材。継続的に乾燥を受けないよう表面が保護される部位など。他、仮設杭(タワークレーン杭、構真台柱杭)など |
耐凍害品 | 乾燥収縮の影響を受けにくい部位で、かつ凍結融解作用の影響を受ける部材及び部位 | 同上及び水際の構造物、水路構造物水槽などの乾燥の影響の小さい部位、又は寸法が小さく乾燥ひび割れの発生の懸念の少ないプレキャスト製品など | |
再生骨材H(JIS A 5021)を用いたコンクリートJIS A 5308 | 一般のRC構造物 | 普通コンクリートと同等 (高強度コンクリート以外) |
※再利用による業界への効果・・・
コンクリート廃棄物の飽和問題から、路盤材への利用だけでなく、コンクリート用骨材としての再利用化を加速させ、問題解消へ。コンクリートからコンクリートへ。コンクリートに係わるすべての業界をつなぐ、新しいコンクリート循環システム形成への第一歩。
循環型社会を構築すべき業界責任の中で、コンクリート工事分野でも率先してコンクリート廃棄物のリサイクルを考えるとき。資源枯渇・環境負荷による未来への影響を考え、骨材資源は、コンクリート自身から生まれ変わる持続可能型資源へ。
良質な天然骨材の枯渇化が加速。限りある天然資源から循環型都市鉱山へ。地産地消、都市に蓄積される骨材鉱山を今すぐ棲み分け活用することにより、良質資源の枯渇リスクを低減し、未来への長寿命化を。
運転手不足や輸送能力不足などによる供給不安問題の解消に、近距離輸送が可能な都市で生まれる骨材の活用で需給バランスを確保。
高騰する建設資材に対して魅力ある再生資材。普通コンとの使い分けにより利用価値は大。
要求品質以上の過剰な性能・強度はもったいない。適用用途を限定した、普通コンとの棲み分け採用が最良の提案。
※リサイクル推進法令、規格・仕様・施策の面から・・・
品質基準、品質管理、品質保証の明確化。実用性と利用拡大を考慮した改正案を事業者から提案。
37条告示改正(2016年4月)により、再生骨材Hが建築物主要構造部への適用が可能に。
コンクリート塊の再資源化義務づけ。3Rの取り組み強化。グリーン購入法特定調達品目のロングリスト公表。リサイクルガイドラインにおける再生資材の利用促進。
工事仕様・材料仕様で捨コン等非構造部材へ適用する材料指定が増加。地方自治体へも波及。
土木材料仕様書や建築工事標準仕様書に再生JIS3区分が記載。リサイクル推進計画・ガイドラインで再生骨材コンクリートの施策展開明記、そしてオリパラ施設への採用決定。環境物品調達の特別品目に明記され、非構造無筋・無筋構造・有筋構造コンクリートへの適用、再資源化が標準化。
設計・製造・施工指針案を策定。他JASS5・JASS5Nで再生骨材及びこれを用いたコンクリートが規定。
コンクリート副産物の再生利用に関する用途別品質基準改正。M・Lが土木構造物等へ適用可。地方局通達。